ザ・ケルン・コンサート

ザ・ケルン・コンサート

アーティスト
キース・ジャレット
パブリッシャー
ユニバーサル ミュージック クラシック
価格: ¥1,995

ザ・ケルン・コンサートのレビュー

これは「奇跡」です
一番好きなのはPart1です。
これが「音楽」なのはまちがいない。が、本当に「ピアノ」なのだろうか、と思う箇所が何箇所もある。
楽譜が出版されていますが同じ演奏をできる人がこの世にいるとは思えない。
(キース自身も不可能なのかもしれない)
私はキース・ジャレットのソロアルバムを全て持っていますが、後年になればなるほど奥行きの深さが増していて、そういう部分に関してはケルンはやはり若い頃の作品なのだな、と感じます。
ただ、ケルンは何度聴いても「奇跡」に触れている気がする。
そういうアルバムは滅多にありません。

バッハやモーツァルトと同じく1000年経ても色褪せないだろう作品。

録音もライブ感が溢れていて最高ですが、その場で聴けた人は幸せで羨ましすぎます。
「奇跡」がその場に生まれるのに立ち会えたのだから。
泉の響きのような音楽
 個人的には無調インプロの洪水が味わえる後年の「東京コンサート」(2002)の方が好きだったりする。が、名盤の誉れ高い本盤は今の時代に聴くとECM時代の明るく聴きやすいメロディが際立っており、延々と続くインプロの冷たい緊張感との奇跡的なバランスが素晴らしい。そういう意味では、決して「Jazzy」な音ではないが、インプロ演奏に馴染みの無いライト・リスナーでも入っていきやすい演奏だと思う。キース本人も、最早こういう若々しく明るい演奏スタイルに帰ることはないだろうと思われるので、この盤の存在意義は既に音楽の歴史に刻まれていると言えよう。

 何か楽器ができる人は分かると思うが、インプロを延々と何十分もやり続けて指が止まらなかったり、緊張感が途切れなかったりするのは至難の業だ。(上述「東京コンサート」でも数カ所、演奏が途切れる箇所がある。)泉のように湧き出す若きキースのアイデアと詩情、エネルギーの結晶した作品。冷たい清水に触れたように、聴く者の神経を刺激してくれます。それでいて、心地よく美しい。名演でしょう。
そんなにか?
ビルエバンスと出会ってからジャズに興味を持ち、こちらも薦められて購入しましたが、特に感動はなかったです。かなり期待してたからなのか、正直私的にはがっかりなアルバムです(^^ゞ
適当なフレーズを引き出しから持ってきて適当につなげて自己陶酔してるようにしか聴こえず、素直に入ってきません。耳障りでイライラするフレーズもあるくらいです。
これはジャズか?
はたまた、ほんとにこれは即興のインプロゼッションなのか?
そんな問いかけに、いったいどんな意味があるでしょう?
そんな台詞は通ぶったマニアや耳の偏った評論家達に言わせておけばいい。
BeatlesもZeppelinもエレクトリックマイルスも、そしてベートーベンでさえ
そんな輩に最初は白眼視されてました。
…脱線しました。
キースはスタンダーズが1番?
そんな台詞もしかり!
確かにスタンダーズは素晴らしい。
しかしこれは素晴らしいを超越した音楽なのです。
1975、ドイツ、ケルン…
確かに神は舞い降りた。
まだ若きキースの両の手に
その時神は宿ったのです。
聴き手の、その時の気分や体調や、時や場所を選ばない音楽があるとすれば
これはそんな至高の1枚です。

蛇足ですが、これはケルンだからこうなったのね。
悲しいけど大阪や東京じゃだめなのね。
サンベアもいいんだけどねえ…
もう一つ蛇足を言うと、スタンダーズでは癇に障るキースのうめきも
ここでは全く気になりません。
…私感ですが。
音楽が生まれていく場所をみるように
ジャズ、に含まれる音楽なんだろうけど、そんなジャンル分けはどうでもよく、ただその圧倒的な透明感に包まれることに無上の喜びを感じる。

なるべく朝の光の中で聴くといいとおもう。時としてよどみなく流れ、時として同じ旋律を繰り返しながら先を模索する、即興ならではの音楽の生まれていく場所を見ることができる。不思議なことに何度追体験してもいつも新鮮に体に入ってくる。

いままで発売された全音楽CDのなかからベスト50を選んだとき、間違いなく入っているだろう一枚。必携ですね。